カフェ頼政道

「第66回 カフェ・頼政道」 7月7日

終了しました

イベント名  「沖村保範さんの時代劇 朗読」



木幡・平尾にお住まいの沖村 保範さんによる朗読
---山本周五郎原作の時代小説、
『人情武士道』より「武道用心記」---

テレビや舞台でご活躍
テレビではNHK「プロジェクトX」「その時歴史が動いた」、映画では「ゴージャス」「大奥」などの作品に出演。また舞台俳優として、「旅装束のある風景」の鮫島役、「愛の戦士たち 里見八犬伝」の老臣山根役を演ずるなど多くの作品で活躍されておられます。
  沖村さんのプロフィール (写真もあります)は、こちらです。

※お写真は放映新社ホームページ沖村さんのページより

沖村さんは絣の袴姿で登場です。
この姿を見てこの日に対する沖村さんの心意気がわかるというものです。
お年寄り相手だからというような態度ではありません。沖村さんの周囲には少し怖いくらいの雰囲気が漂います。沖村さんがはじめてされる朗読劇、武道用心記の始まりです。

・・・・何にもつけ喧嘩っ早い主人公 真之助に叔父が言い聞かせるところ「不愉快なことが起ったらこう思え、いい気持ちだ、なにも不平はないじゃないか、ああさばさばした気持ちだ…こう三遍云ってみろ、そうすれば自然と心が明るくなる。他人に対してもそうだ、あいつは厭な奴だと思うからいかん、あの男にも良いところはある、誰がなんといっても己はあの男が好きだ、なかなか好人物じゃないかと考えるがいい、つまりそれが堪忍であり我慢というものだ」・・・・
それからというもの真之助は癇癪を起しそうになると頑張って自分にこのように言い聞かせる。

子供を孕ました娘とその兄に悪行を尽くした上、幼馴染の娘双葉を横取りしようとする孫次郎に対して、空を向いてつぶやく。

・・・・「己は孫次郎を嫌いじゃない、嫌いじゃない、嫌いじゃない、こいつにもよいところはある、なかなか良いやつだ。己はちっとも癪に障ってなんぞいない、胸はさばさばしている、こういう話も時には面白い、面白い、すこぶる面白いくらいのものだ、殴りたいとなんぞは思わない、ちっとも殴りたくはない」・・・・
と必死に真之助は言いつつも、おそらく彼の声は震えているのでしょう。

筋運びに聞き入っているうちに、あっという間に35分が過ぎてしまいました。
沖村さんの、臨場感に富んだ朗読を聞いていると私たちの瞼の中に真之助が浮かんできます。しかも迫力ある声が生む人間描写は巧みです。武士、囚人、娘などの登場人物がいきいきとした姿がテンポよく描出される。素晴らしい朗読でした。

7月7日は、本当に暑い日でしたが、はじめてのご近所の方も見え、洛西ニュータウンでカフェを開こうと見学に来られた5人の方の参加もあってカフェは満員。その中での沖村さん熱演でした。沖村さんに感謝です。ありがとうございました。

さて皆さん、今月16日、沖村さんは、新撰組5番組隊長として、壬生寺から祇園まで新撰組パレードに出られます。ちなみに、8月24日には、NHKの「夫婦善哉」にも出演されるそうです。それから、秋、9月からの朝ドラにも出演されるそうです。沖村さんの活躍をぜひテレビでご覧になってください。

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