カフェ頼政道

「第12回 カフェ・頼政道」 11月28日(日)

終了しました

「フィオリの会」朗読会!

日時  11月28日(日) 11:30~15:30

冬が来る前に心温まるお話と体があったまるお料理
木枯らし1号が吹き荒れて急に寒くなりました。いかがお過ごしでしょうか? 今回は宇治を拠点に活躍されています「フィオリの会」の方々をお招きしての朗読会です。フィオリの会は「常に聴いてくださる方々の息遣いが感じられる近さで朗読をお届けしたい」との熱い想いを持って年一回の宇治日和での朗読会と京都ライトハウスでの文化祭典などに出演されています。心静かに朗読会を楽しんでみませんか。朗読会の内容は当日のお楽しみです。
もちろん、いつものように誰でも参加できますよ。


「フィオリの会をお招きして」

第12回カフェ頼政道にフィオリの会をお招きしました。
まずその経過からお話します。フィオリの会のメンバーから紹介されて、カフェ頼政道から山口、藤井、板倉の3名スタッフが昨秋の発表会に参加しました。
会場の宇治日和は満席で、多くの詩が朗読されました。石垣りんの詩も朗読されました。この人の詩は優しくて言葉がまるで読み手の心に真っ直ぐ響くのですが耳から詩が流れてくると言葉がまるで生きているようで、ご馳走を食べたあとのように体と心がふんわりと暖かくなり、大変心地よいものでした。詩を人の声を通じて味わう特別な機会を得ることができました。その会のあとで、フィオリの会の方から朗読活動を始められて10年と聞きその素晴らしさを再認識しました。この会の様子をカフェのスタッフ会議で話したところ是非カフェ頼政道へお招きして、私たち地域の皆様にも朗読を聞いていただき深い味わいをお届けしようと決まりました。
そして11月28日に沢山の方々が集まって来て下さり、フィオリの会 in カフェ頼政道を開きました。 まず「万葉集」から宇治にちなんだ歌6首。 朗々と和歌が読み上げられますと、客席の中にはまるで王朝時代の歌人になったようなお顔つきに見える方がいてスタッフは嬉しかったです。
次は佐藤愛子さんの小説「女の怒り方」から「黄昏の色々」。
テンポの速い6人の会話に舞台と客席が一体となりました。女の怒りが最高潮の場面などは女性たちから「同感やわ」と明るい笑い声が響きました。
それから阪田寛夫作の「そうだ村の村長さん」 
リズム感あふれる言葉遊びです。客席を半分に分けて交代で読みました。大きく口を開け、はっきり発音して読み終えると体が軽くなってゆくので不思議でした。
長田弘さんの「食卓 一期一会」もありました。 こんな詩もあるのかという詩でした。頭の中に大根や魚がいきいきと浮かぶ。明日から料理がしたくなる。おそらくこの詩なら言葉や観察の素晴らしさを子供にも教えることができる。
最後に 大川悦生さんの「つる」 長いお話でしたが、深みのあるお声にたちまち大川悦生の世界へ引き込まれました。遠く寒いシベリアでの抑留生活の場面では胸が痛み、椅子に深く体を沈めて聴きいりました。越冬のために日本へ向かう鶴へ呼びかけるシーンでは青い空を自由に飛ぶ姿を想像して泣きそうになりました。やがて兵士の全員が日本に戻れると聞いたとたん隣の席の人と良かった良かったと頷き合いました。
楽しい余韻を残してフィオリの会10名の方々の朗読は終わりました。自分たちの幼かった子供や孫が「この本読んで」「これも読んで」と次々持ってくる気持ちがわかりました。
朗読する人の声が耳に届いた瞬間から幼子は安心して夢の世界は飛び立つのでしょう。そして私たちも・・・。